夢であった自分のお店を故郷で開業

横須賀 直生さん
楢葉町 → 東京 → ドイツ → 茨城 → 楢葉町
福島県楢葉町出身。高校卒業後、製菓学校への進学のため上京。東京・ドイツ・茨城を経て、2019年3月に県外出身の夫、2人の子供を連れてUターン。2020年5月、町内に「おかしなお菓子屋さんLiebe」をオープン。

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楢葉町で生まれ育った横須賀さんは、高校2年生の時にお菓子づくりの道へ歩むことを決め、高校卒業後に東京にある製菓学校へ進学しました。東京の製菓学校を卒業後は将来自分の店を持つことを目標として、神奈川県にあるお菓子屋で経験を積み、もともと関心があったドイツ菓子の本場を知りたいとの思いからドイツへ渡ります。帰国後は茨城県の水戸市でホテルのシェフパティシェとして働き、お菓子づくりの経験を積んできました。
そんな横須賀さんが楢葉への移住を考え始めたのは、子どもが生まれたことがきっかけでした。

「水戸で子育てを1年半してみて、頼る人が周りにいないこの場所では『自分の店を持つ』という自分の夢を叶えられないのではないか、と感じました。地元に帰ったほうがお店をだせるのではないかと思いました。」

と、自分の夢の実現のために楢葉へ戻ることを考え始めたと言います。でも、当時楢葉町は避難指示が解除されたばかり。

「放射線のことも考えると本当は戻ってくることが怖かった。昔知っていた町とは違う姿になっているだろうというのが分かっていました。主人と1年近く、じっくり話し合いました。」

そしてついに、2019年3月に旦那と2人の子どもを連れて横須賀さんは楢葉町へ移住しました。
楢葉町に戻ってきて、地域のお祭りが開催されていたり、子ども園の入園児数が増えていたり、インフラも整備されていたりと想像以上に楢葉町の復興が進んでいることを実感したそうです。
「私がこの町を良くしていこうと思って戻ってきたのですが、町の様子をみて自分が肩ひじ張って何かする必要がないくらい復興が進んでいると感じました。そこで、自分の夢を見つめ直し、『自分が本当にやりたかったことをやろう』という気持ちになり、このお店をオープンするに至りました。」
そうして、2020年5月に楢葉町でお菓子屋さん「Liebe」をオープンし、長年の憧れであった「自分のお店を持つ」という夢を楢葉で実現しました。

- 働き方について聞いてみました。
「今のお仕事時間は9時から15時~16時くらいまで。自分のお店を持つことで、会社員と違って勤務時間がきっちり決められていないため、家族との時間も大切に出来ることが良い点です。」

楢葉に移住した時点で2人の子どもがいた横須賀さん。
「楢葉に引っ越すまで子どもは2人で十分と思っていましたが、移住したことで暮らしに余裕が生まれて、赤ちゃんを迎え入れたいなぁ自然と思えてきました。」
お店のオープンの忙しい時期と重なりながらも、移住した1年後の2020年に第三子を出産されました。
現在、1歳・5歳・6歳の3人のお子さんを育てながらお店を切り盛りされています。
移住したことで家族の時間がしっかりとれていることが良い点と横須賀さんは言います。
自分のお店を持ったことで時間の融通がきくようになったこと、旦那さんも移住して土日休みの仕事に就けたことで以前よりも家族の時間をしっかり過ごせているそうです。

「朝ごはんを家族みんなで食べる、夜ご飯も家族みんなで食べて、お風呂も家族で入るということが、当たり前だけど楢葉に来るまでは出来ていませんでした。今はそれができている暮らしに幸せを感じます。土日は白鳥にパンをあげに行っていますね。」

反対に、楢葉に移住してきて不便に感じる点について聞いてみました。

産婦人科・小児科はいわき市まで行かないとないことは少し不便といいます。3人目の出産のときは、陣痛がきてから楢葉町からいわき市内の産婦人科まで旦那さんが運転する車で移動したことが大変だったとのことです。
自分のお店をオープンして、楢葉で新たな挑戦を始めた横須賀さん。「まずは、今のお店を地域の人に愛されるお店にしていきたい」とのことです。
また、横須賀さん自身も三度の出産を経て起業したことで、女性のキャリア支援にも関心が出てきているそう。
「子育て世代の女性は9時~17時ではない柔軟な働き方を求めているのに、それを実現できる場がまだ地方には少ない。フレキシブルな働き方ができるようにすることで、女性が働きたいと思える会社をつくれたら嬉しいと思っています。」
子育てに自分のお店と、パワフルな印象の横須賀さんですが、ご本人曰くまだまだ力をセーブしている状態とのことです。今後の横須賀さんの取り組みが楽しみに感じました。

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